スキップしてメイン コンテンツに移動

注目

ゲシュタルト・グループセラピー(カウンセリング)第3期募集開始! 神戸・芦屋・西宮

  Gestalt Group Therapy: つながりの中で見つける、気づきと対話の旅 ゲシュタルト・グループセラピーのシーズン3、2025年7月から始まります。 兵庫県芦屋市が会場です。 継続的なカウンセリングやセラピー・心理療法を必要としているけれど、個人カウンセリングやセラピーは経済的に難しいという人や、対人関係面での気づきや成長を求めている人には、グループセラピー(カウンセリング)というアプローチはとても適していると思います。 現代の日本社会に、グループセラピー的なアプローチが広がることが、個々人のメンタルヘルスや家族関係の改善につながるし、会社などの組織もより安全で創造的な場になっていくんじゃないかと思っています。 1年間・隔週のクローズドメンバーでのグループセラピーは、仲間とともに長い旅をするような、気づきと変化の時間になると思います。 継続的なグループセラピーは「キャラバンの旅みたいなものだ」と喩えられることもあります。 それぞれが生きているそれぞれの苦しい環境や出来事を(人生って砂漠を歩いているようなものかもしれない)、夜には焚き火を囲んで語りつつ、昼にはまた一歩足を出す、そんなふうに旅は進んでいくのかもしれません。 ゲシュタルト療法とは  ゲシュタルト療法は、1950年代のアメリカで生まれました。精神分析医のフレデリック・パールズと、ゲシュタルト心理学者である妻のローラ・パールズらによって創始された、人間性心理学に基づく心理療法です。  ゲシュタルト療法では、悩みや課題の原因を過去に遡って分析するのではなく、「今ここ」で生じる心や体の反応に意識を向けます。解釈や理論的な分析よりも、現在の体験そのものを大切にし、実際に感じ、気づくことを通じて変化を促します。 ゲシュタルト・グループセラピー ゲシュタルト・グループセラピー(GGT)は、1年間(全24回)に渡ってクローズド・メンバーで行われる、ゲシュタルト療法をベースにした「気づき」と「対話」と「成長」の場です。ファシリテーターやメンバーのかかわりを通じて、自身の人間関係のパターンに気づき、新しいかかわり方や表現の方法を安全に実験しながら学ぶことができます。また、ファシリテーターのサポートで、人生のなかでの未完了の体験や感情を表現し、解消していくことで、自己成長が促されます。 詳細とお問い...

「ゲシュタルト」とは–ゲシュタルト療法のキーワード

Gestaltとはドイツ語で、英語にも日本語にも、直接ぴったりくる訳語が見つからない言葉です。

pattern, form, shape, configurationといった英語が近いニュアンスの言葉のようでうが、もっといろんな意味が含まれています。

日本語では、「形態・姿」「まとまりをもった全体性」といった意味となりますが、「ゲシュタルト」(あるいは「ゲシタルト」)とカタカナで書かれることが一般的です。

ゲシュタルトセラピーの源流のひとつに「ゲシュタルト心理学」があります(その他のルーツは、精神分析や現象学、実存主義哲学、仏教などです)。

ゲシュタルト心理学では、ヒト(や生き物)は、周りの環境の刺激を、ひとつの全体像としてまとめて捉える傾向を扱います。

ゲシュタルトの原則

20世紀初頭、マックス・ヴェルトハイマー(Max Wertheimer)らは、「ゲシュタルトの原則 Gestalt principles(Gestalt laws)」として次のような法則を挙げました。ヒトは、近いものや似ているものをグループとしてまとめたり、閉じた図形を見る傾向があるということです。

1.近接の法則(Law of Proximity)

距離が近いものは、同じグループとしてまとまって認識されやすいという法則です。

次の図を見ると、左側の8つの円がひとまとまりのグループとして認識されます。右側の8つも同様ですね。

2.類同の法則(Law of Similarity)

似ているものは同じグループとしてひとまとまりになりやすいという法則です。
次の図では、緑色の円と赤色の円が、それぞれひとまとまりのグループとして認識されます。

3.連続の法則(Law of Continuity)

連続しているものは、ひとつのまとまりとして認識されます。下の●の集合は、くの字ににたひとつらなりのものとしてとらえられます。

4.閉合の法則(Law of Closure)

閉じた領域は、ひとつのまとまりとして認識されます。

5.共通運命の法則(Law of Common Fate)

同じ方向に動く複数の要素は、ひとまとまりのグループとして認識されます。レオ・レオニの『スイミー』みたいなものです。

他にも、図と地(Figure & Ground)など、いくつもの「ゲシュタルトの法則」が発見されています。

ゲシュタルト心理学者たちが研究したのは、主に視覚的体験についてですが、同じような「法則」は、ヒトや生き物の「体験」にもあると考えられます。


体験のゲシュタルト・サイクル(気づきのサイクル)


Dave Mann”Gestalt Therapy 100 Key Points and Techniques”

ゲシュタルト療法では、私たち人間や生き物の体験もまた「ゲシュタルト」を持っていると考えています。


お腹が空いていたら食べ物に目が向くし、喉が乾いてたら水を探します。


お腹いっぱい食べることができたら、食べ物への注目はなくなり、代わりに違う欲求が図として表面に浮かび上がってきます。


こうした欲求とその充足のあり方は「体験のゲシュタルト・サイクル」あるいは「気づきのサイクル」と呼ばれます。


体験のゲシュタルト・サイクルには、次のようなステージがあります。

(1)感覚 sensation

(2)気づき awareness

(3)可動化 mobilization

(4)行動 action

(5)接触 final contact

(6)充足 satisfaction

(7)引きこもり withdrawal


たとえば職場で上司からひどく叱責されたとします。本当は私の失敗ではないので、上司の叱責は見当違いなのですが、なかなか上司に反論するのって難しいですよね。


そういうとき、お腹に「ムカムカ」する感覚があるとします(感覚)。


そのムカムカを感じていると、「この上司に腹が立っている」という気持ちに気づくでしょう(気づき)。


両腕にギュッと力が入り、何か言いたいことがお腹から登ってきます(可動化)。


「お言葉ですが、それは私の失敗ではありません! よくこの文書を読んでください!」といいながら、机にバンと資料を置きます(行動)。


上司も「なんだその態度は!」と言い返してきますが、何度かぶつかってお互い言いたいことを主張します(接触)。


少し口論にはなりましたが、主張を伝え合ることができたので、気持ちはすっきりしました(充足)。


仕事が終わると、先ほどのことは忘れておいしくビールを呑みます(引きこもり)。


こんな例を考えてみましたが、でも上司に対して言い返すなんて、実際はなかなかできないですよねえ。「長いものには巻かれろ」で、(本当は自分の失敗ではないのに)と思いつつも、飲み込むことも多いのではないでしょうか・


未完了の体験(ゲシュタルト)

呑み込んでしまうと、「言えなかったこと」「できなかったこと」「獲得できなかったもの」が、「未完了の体験(ゲシュタルト)」として残ります。


これは、ストレスや欲求不満の体験にもなりますし、強い未完了はトラウマ的な体験ともなります。


こうした「未完了の体験」が、心の多くを占めるようになると、人はそのことで苦しんだり、自分自身の人生を生き生きと生きることが難しくなります。


ゲシュタルト療法のワークでは、こうした「未完了の体験」に注意を向けて、ワークの中で未完了を完了させていく、といった試みをすることがあります。

「本当はあの上司に無茶苦茶腹が立っていて、この分からず屋!って言ってやりたかったんです」

と気づいたら、ゲシュタルト療法のファシリテーターは、「ではその椅子に上司が座っていると思って、感じた通り言ってみてください」と提案するかもしれません。

クライエントが空の椅子(あるいは座布団)に、十分自分の気持ちに触れながらそう伝えてみると、上司に対する未完了が収まることもあります。

最初に挙げた例みたいに、上司と口論することは難しくても、もっと上手な伝え方が分かることもあるでしょう。

あるいは、上司とのことが完了したら、今度は「この分からず屋!って言いたかったのは、実は父親に対してだったと思う」と、父親との葛藤が図として浮かび上がってくることもあります。

こんなふうにして、ゲシュタルト療法のワークは進んでいきます。


---


第4回ゲシュタルトセラピー@大阪天正寺

2022年9月4日に開催します。よろしければどうぞご参加ください。

コメント