このブログを検索
大阪や神戸・芦屋のグループセラピー・カウンセリング|関西でゆる~くゲシュタルトセラピーを学んだり、体験会を開催しています。 LIFE IS A JOURNEY!
注目
トラウマとゲシュタルト療法−神戸・芦屋のグループカウンセリング
トラウマとは?
トラウマの定義と特徴
トラウマは、精神的な外傷や過去の苦痛な経験によって心に深い傷を残す状態を指します。特に、極端な恐怖や無力感を伴う出来事や体験が、心の安定を揺るがす要因となります。トラウマ体験は一般的に、個人の心的な耐久性や回復能力を超えるほどの負荷をもたらします。
トラウマ体験の種類と原因
トラウマの種類は多岐にわたります。事故や自然災害による身体的な傷害、虐待や暴力による心的な傷害、戦争や戦闘体験などが挙げられます。また、感情的なトラウマは失恋や喪失、心の拒絶などが含まれます。トラウマの原因は個人によって異なりますが、一般的には脅威的な状況や過度のストレスが関与しています。
トラウマの心理的・身体的影響
トラウマは心の健康と身体にさまざまな影響を及ぼします。心理的な影響としては、PTSD(心的外傷後ストレス障害)がよく知られています。この障害は、トラウマ体験によって引き起こされる心的な症状やトラウマと関連するトリガーによって生じる再経験、回避行動、過度の興奮などを特徴とします。身体的な影響としては、ストレスホルモンの過剰分泌による身体の反応や免疫機能の低下などが挙げられます。トラウマが解決されないまま放置されると、長期にわたって心の健康と身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
PTSDの定義と症状
PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder)は、心的外傷後ストレス障害として知られる心の病気です。これは、過去に一つ以上の外傷的な出来事を経験した後に、強い心理的な反応と症状が持続的に現れる状態を指します。
主な特徴として、以下のような症状が挙げられます:
- 再経験:外傷的な出来事を思い出すことが頻繁にあり、嫌な記憶やフラッシュバック(再体験)が起こることがあります。
- 回避行動:外傷的な出来事に関連する場所や人、物、活動などを回避する傾向がみられます。
- 過度の興奮:過敏になり、緊張感や不安が高まり、集中力や睡眠に問題が生じることがあります。
- 感情の変化:感情の起伏が激しくなり、怒りや恐れ、罪悪感などが増えることがあります。
これらの症状が、日常生活に支障をきたす程度で持続している場合、その個人はPTSDと診断されることがあります。トラウマ体験がPTSDを引き起こす場合もありますが、すべてのトラウマ体験がPTSDに至るわけではありません。個人の体質やストレスへの耐性、過去の経験などが関与し、発症のリスクは個人によって異なります。治療法としては、心理療法や薬物療法、またはこれらの組み合わせが一般的に用いられます。早期の治療と適切なサポートが、回復への道を開くことにつながります。
ゲシュタルト療法(セラピー)とは
ゲシュタルトセラピーは、人間の心の健康と成長を促す心理療法の一つであり、人間性心理学のひとつとして発展しました。このアプローチは、フリッツ・パールズらによって創始されました。
ゲシュタルトセラピーの特徴的な概要は以下の通りです。
- 現在に焦点を当てる:ゲシュタルトセラピーは、過去の経験だけでなく、現在の感情や行動に焦点を当てることを重視します。クライエントは自己の内なる感情や気づきを大切にすることで、現在の瞬間に生きることをサポートされます。
- 「今ここ」を大切にする:ゲシュタルトセラピーは、「今ここ」の状況を受け入れることで、自己の成長と発展を促します。過去の出来事や未来への不安に囚われず、現在の経験に注意を向けることで、自己理解が深まります。
- 感情や感覚を重視する:クライエントの感情や感覚は重要な情報源として扱われます。感情の表現や解放は、内面的な変容やセルフリソースの発見につながると考えられています。
- ダイアログと関係性:セラピストとクライエントの間でオープンな対話(ダイアログ)が重要視されます。セラピストは非評価的な姿勢でクライエントを受容し、信頼関係を築くことに努めます。
- 体験と実験:ゲシュタルトセラピーでは、クライエントが体験と実験を通じて自己の気づきを得ることが促進されます。さまざまな手法やテクニックが使われ、クライエントの内面にアプローチされます。
ゲシュタルトセラピーは、クライエントが自己の成長と発展を自覚し、問題に対する新たな視点や選択肢を見出すことをサポートします。また、人間関係や自己との関わり方に焦点を当てるため、対人関係の向上や個人の自己理解が促進されるとされています。
ゲシュタルトセラピーによるトラウマへのアプローチ
ゲシュタルトセラピーによるトラウマのアプローチは、トラウマ体験を現在の感情や行動と結びつけて理解し、回復を促すことを重視します。以下は、具体的なアプローチについての詳細です。
1. 現在に焦点を当てるアプローチ:
ゲシュタルトセラピーは、クライエントの現在の感情や行動に焦点を当てることで、トラウマの影響を理解し回復に向けたプロセスを開始します。過去のトラウマ体験を避けるのではなく、受け入れつつも、現在の自己と向き合い、自己理解を深めることが重要視されます。クライエントはトラウマが日常生活にどのように影響を及ぼしているかに気づくことで、より具体的な課題や目標に取り組むことができます。
2. 身体(ソマティック)志向の重要性:
ゲシュタルトセラピーでは、感情と身体の関連性に注目します。トラウマ体験はしばしば身体的な反応と結びついており、感情が身体に現れることがあります。セラピストはクライエントの身体の感覚に対して敏感に共感し、感情の身体的な表現にスペースを提供します。身体の感覚を活用することで、クライエントは感情を解放し、トラウマの処理に役立てることができます。
3. ゲシュタルト療法の具体的な手法:
ゲシュタルトセラピーにはさまざまな具体的な手法があります。クライエントの個別のニーズや特性に合わせて、エンプティ・チェア、身体運動、イメージワーク、ロールプレイなどの手法が活用されます。これらの手法を通じて、クライエントはトラウマ体験をより深く理解し、感情を表現する手段を見つけ、内面的な変容と回復を進めることができます。
ゲシュタルトセラピーのアプローチは、トラウマを過去だけではなく、現在に焦点を当てることでクライエントの成長と回復を促す効果的な手法です。感情と身体の統合を重視し、個別のニーズに合わせた具体的な手法を提供することで、トラウマの処理と回復をサポートします。
トラウマからの回復とポリヴェーガル理論
ポリヴェーガル理論は、スティーブン・ポージェス博士によって提唱された神経心理学的な理論です。この理論は、自律神経系の機能と人間の行動や感情に関連することを中心に研究されています。名前の「ポリヴェーガル」は、ラテン語の"poly"(多くの)と"vagal"(迷走神経に関連する)に由来しています。
ポリヴェーガル理論は、自律神経系の働きに着目して人間の行動や反応を解釈しようとします。自律神経系は、心拍数、呼吸、消化、ストレス応答など、自動的に体内の機能を調整する役割を担っています。この自律神経系には、交感神経系と副交感神経系という2つの枝があります。
ポリヴェーガル理論は、自律神経系の活動によって生じる3つの反応パターンを説明します:
- 安全と接続:副交感神経系が優位であり、体内の機能は正常に調整され、心身ともにリラックスしています。これにより、社会的なつながりや信頼関係を築くことが可能になります。
- 脅威と戦闘・逃避:交感神経系が優位であり、体内のエネルギーが高まり、身体は戦闘または逃走の状態に備えています。これは身体的な危険に対応する反応です。
- 無力と防御:交感神経系と副交感神経系のバランスが乱れており、身体や心が無力感に包まれた状態です。この状態では、身体的な反応がうまく調整されず、トラウマなどの困難な経験に対応することが難しくなります。
ポリヴェーガル理論は、これらの自律神経反応が人間の行動や感情にどのように影響するかを理解することで、心理的な問題やストレスへの対応を支援する上で有用な枠組みとなっています。また、トラウマや不安障害、対人関係の問題などに対するアプローチにも応用されています。
ポリヴェーガル理論の観点からトラウマの処理と回復の過程を考えると、以下のようなポイントが挙げられます。
1. 自己観察と感情の受容:
ポリヴェーガル理論によれば、人間の自己観察と感情の受容は回復の過程において重要なステップです。トラウマを持つ個人は、感情を自己観察することに苦手意識を持つことがあります。セラピストとの共感的な関係を通じて、クライエントが感情を受容し、それを表現する練習を行うことがトラウマ処理と回復に役立ちます。
2. 安全な関係の確立:
ポリヴェーガル理論は、安全な人間関係が回復において不可欠であると強調します。トラウマを持つ個人は過去の傷を持ち、新たな対人関係に対して警戒心を抱くことがあります。セラピストはクライエントとの信頼関係を構築し、安全な環境を提供することで、トラウマ処理と回復の土台を築きます。
3. レギュレーションと共感:
ポリヴェーガル理論は、自律神経系のレギュレーションが感情の処理と回復に重要であると述べています。トラウマを持つ個人は過度なストレスがレギュレーションを乱し、感情のコントロールが難しくなることがあります。セラピストはクライエントの感情を共感的に受容し、リラクゼーションやマインドフルネスなどの技法を用いてレギュレーションをサポートします。
4. グラウンディングとセルフケア:
トラウマ処理と回復の過程では、グラウンディング(現在に焦点を当てること)とセルフケアが重要です。ポリヴェーガル理論は、自己をグラウンディングすることでトラウマの影響を軽減できると述べています。セラピストはクライエントにグラウンディングの技法を教え、セルフケアの重要性を強調することで回復をサポートします。
ポリヴェーガル理論の視点から、トラウマの処理と回復は安全な関係の確立と感情の受容、自律神経系のレギュレーション、グラウンディングとセルフケアが重要な要素として挙げられます。セラピストのサポートを受けながら、クライエントはトラウマを処理し、回復への道のりを歩んでいきます。
ポリヴェーガル理論とゲシュタルト療法
ポリヴェーガル理論は、心身の反応を制御する自律神経系に焦点を当てた理論です。スティーブン・ポージェス博士によって提唱されたこの理論は、安全な状態、脅威のある状態、無力な状態の3つの自律神経反応パターンを説明します。人間はこれらのパターンを切り替えながら、他者との関係や環境に適応しています。ポリヴェーガル理論は、感情のレギュレーションやストレスへの対処に焦点を当てており、自己の内的な状態を理解し、安全な状態を促進することが回復に重要であると考えます。
一方、ゲシュタルト療法は、フリッツ・パールズによって創設された心理療法です。ゲシュタルトとはドイツ語で「全体」という意味であり、この療法は人間の経験を全体として捉え、現在の瞬間に焦点を当てます。ゲシュタルト療法は、感情や感覚を大切にし、クライエントが自己の内的なプロセスをよりよく理解することを目指します。セラピストはクライエントとの対話や体験を通じて、クライエントが自己のニーズや感情に気づき、成長や変容を促すサポートを提供します。
パールズの時代にはポリヴェーガル理論はまだありませんでしたが、ゲシュタルト療法のアプローチで生じていることが、神経科学的にどのように説明されるか、という新しい視点を提供してくれています。
ゲシュタルト・グループセラピーのご案内
「ゆるゲシュ」は、阪神間(主には芦屋市内の集会所など)で、月に一度ほど、「ゲシュタルト・グループセラピー」を開催しているサークルです。
日本ゲシュタルト療法学会が認定するトレーニングコースを終了したファシリテーターが中心になって、2020年から定期的に活動してきました。
オープンでゲシュタルト療法のワークショップを開催するようになったのは、2021年からです。
リピーターの参加者も増えてきて、いい場が育ってきていると感じています。
ゲシュタルトセラピーでは、 「今、ここ」でのあなたの自然な「気づき」に 焦点を当てることを通して、 本来の自分自身を取り戻していきます。
・心理学や心理療法・カウンセリングについて学んで、仕事や人間関係に活かしたい
・子育てや夫婦関係で行き詰まりを感じている
・職場の人間関係や恋愛関係で悩んでいる
・「自分を責めること」や「キレる私」を辞めたい
・生きづらさを感じている、あるいは「自分らしく生きたい」と思っている
こういった方のご参加をお待ちしています。
最新のワークショップのご案内は、以下をご覧ください。
https://yuru-gestalt.blogspot.com/
コメント
コメントを投稿